3 ふんどし
「おにいちゃん プロレスすっべ。」
「やんだ。ともこ すぐ泣ぐどれ。」
「泣がねもん!」
夏の夜はよく、蚊帳の中に敷かれた おじいさんとおばあさんの
布団の上でプロレスをしていた。
「ギブアップー!」
「あっおにいちゃん、この、しろい布なに?」
「しゃね。」
目の前に 二本の白い長方形の布が下がっていた。
横からは、それぞれ、二本のひもが出ていた。
「顔、ぐるぐる巻きにしてける〜。」
「わー、おにいちゃん、やめろ〜。」
さんざん ふしぎな布で遊び、蚊帳から出てくると、
おじいさんがいたので 聞いてみた。
「おじいさん、あのしろい布、なに?」
「しろい布?」
「うん。蚊帳の中の。」
「あぁ、ずさまの ふんどしだ。」
「・・・。おじいさん、ふんどし しったっけのが・・・。」
「んだ。」
その時 はじめて知った 事実であった。
「んだら、ふんどしで ぐるぐる巻き しったっけの・・・?
おにいちゃん、わがるんだっけべー!」
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